シリアスな法廷闘争と 人間模様が同時に楽しめるリーガルドラマ
リーガル(法律)ドラマは、アメリカではメインストリームのジャンルとして人気を博しています。法律事務所を舞台に主人公の恋愛や成長に主眼が置かれた軽いタッチのドラマと、法廷での迫力あるシーンが見どころのシリアスなドラマに、二分されている傾向があると思います。
前者の軽いタッチのドラマの代表作は、”アリー・マクビール(アリー マイラブ)”でしょう。一方の正統派リーガルドラマは“ザ・プラクティス”が抜けた存在です。その両方を兼ね備えたドラマが話題となっています。
2011年に放送が開始されたスーツ(Suites)は、放送回を追うごとに人気が上がって行き、現在ではシーズン4を数えます。
ニューヨークの大手法律事務所“ピアソン・ハードマン(後にピアソン・ダービー)”を舞台に、シリアスな案件をイケメン弁護士が見事に解決する一方で、事務所内の人間模様も豊富に描かれている秀でたリーガルドラマです。
深く考えられたストーリーもさることながら、主人公ハーヴィー・スペクター(ガブリエル・マクト)のファッションや、おしゃれな立ち振る舞いも視聴者の注目を集めています。
この人気リーガルドラマのストーリーをご紹介いたします。
偽弁護士がエリート弁護士事務所に採用される
ハーバード大学ロースクール出身者しか採用しないことで有名な、ニューヨークの大手法律事務所“ピアソン・ハードマン”に勤務するハーヴィーは、仕事で妥協を許さない厳しい弁護士として名が通っていました。
有名プロスポーツ選手の代理人を務め、企業訴訟を得意とするハーヴィーは、他者にも厳しいため能力が劣る部下を持つぐらいならば、1人で全てを行った方が良いという信念の持ち主です。
重要な案件を幾つも抱えるハーヴィーを見かねた事務所代表のジェシカ・ピアソン(ジーナ・トーレス)は、シニア・パートナーに昇格させる条件として、部下のアソシエイツを採用するように命じます。
仕方なく新卒採用を行ったハーヴィーでしたが、気に入る学生は一人もいませんでした。
そこへ面接に応募していなかったマイク・ロスが紛れ込みます。マイクは面接会場のビルで麻薬取引をしていて、警官に踏み込まれます。警察の目をそらすため、学生に成りすましてハーヴィーの面接を受けようとします。抜群の頭脳を持っているマイクを気に入ったハーヴィーは、マイクの採用を決断します。
マイクは弁護士を目指して大学に通い、ハーバード大学のロースクールの試験も突破した経験がありました。しかしロースクール入学直前に友人の悪行に加担したため、大学を退学処分になっていました。ハーヴィーから採用を通達されたマイクは、ハーバード大学卒の証明書を偽造し、且つ、大学のコンピューターシステムに入り込み、自分が卒業生である記録を残します。
師弟関係が敵対関係へ
最初は冷徹なハーヴィーのやり方について行けない面もあったマイクでしたが、訴訟に勝つことによって依頼人を幸福にすることに喜びを見出しているハーヴィーの姿に共感し、徐々に信頼していきます。またハーヴィーも能力が高く、忠誠心があるマイクを評価して心を開きます。しかし、ある事件をきっかけに、マイクがハーバード大学卒でも無く、弁護士資格も持っていないことがハーヴィーのみならず、ジェシカにも露呈します。ジェシカは事務所を辞めるようにマイクに通達しますが、ハーヴィーがそれを守ります。
事務所にはマイクの正体を知るもう1人の人間がいます。マイクの恋人でパラリーガル(弁護士補助役)のレイチェル・ゼイン(メーガン・マークル)です。著名弁護士の娘である
レイチェルは、有能なパラリーガルで事務所のアソシエイトよりも法律に長けています。
その証としてアソシエイツが貰えない個室を与えられています。マイクの正体に気が付いたレイチェルは、警察に捕まる前に事務所を辞めることを勧めます。しかし、ハーヴィーに忠誠を誓うマイクは、苦悩の上、事務所に居続けることを選びます。
自分の正体がバレる可能性があることに苦しむマイクは、シーズン4で遂に事務所を辞め、投資銀行へ転職を果たします。投資銀行でも順調に仕事をこなすマイクでしたが、ある案件で、ハーヴィーと対決することになります。
何から何まで格好が良いハーヴィー
このドラマの魅力は、何と言ってもシリアスな法廷闘争が見れると同時に、複雑な人間模様も同時に味わえる点だと思います。脇を固めるレギュラー陣も個性豊かで、ストーリーを盛り上げます。特にハーヴィーの同僚でライバル、ルイス・リットを演じるリック・ホフマンの演技は必見です。
更にニューヨークのエリートエグゼクティブのライフスタイルや、ハーヴィーの女性遍歴もドラマを盛り上げる要因になっています。ドラマを見終わった後、満足感を感じる“スーツ”を是非、ご覧下さい。
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