FBIを舞台にしたスケールの大きいドラマ
FBIを舞台にするドラマは数多くあります。クリミナル・マインドに代表される凶悪犯罪者を追う正統派のドラマや、ホワイトカラーのように主人公のお洒落なライフスタイルを散りばめた、ストーリー重視のものまで多岐にわたります。 両者に共通して言えるのは、1話完結のストーリーを重ね、それと並行して大きな謎や陰謀がシーズンを通して続いて行く形式のドラマである点です。その中でも“ブラックリスト”は、スケールの大きいストーリーと複雑な人間関係を描いて話題を呼んでいます。 2013年にシーズン1を開始したブラックリストは、初回の放送で1,234万人の視聴者数を記録しました。その後、人気に火が付いてシーズン2では、2,572万人の視聴者数を記録するまでになります。
最重要指名手配犯“レッド”が出頭するところからストーリーは始まる
ある日、FBI最重要指名手配犯のレイモンド・”レッド”・レディントン(ジェームズ・スペイダー)が突然出頭してきます。レッドは米軍士官学校を首席で卒業し、将来を嘱望された士官候補でしたが、ある日、家族を残して姿を消します。その後、“犯罪コンシェルジュ”と呼ばれ、国家機密の売買、犯罪者の仲介を行う犯罪ブローカーとして有名な存在となります。 出頭してきたレッドに対し、過去の犯罪や闇組織の情報を聞き出そうとするFBIに対し、レッドは新人捜査官エリザベス・”リズ”・キーン(メーガン・ブーン)を指名して、彼女にならば、情報を提供すると言います。 リズはレッドと面識がなく、どうして自分が選ばれたのか理解できませんでした。しかしレッドは、海外テロリストが米軍将校の娘を誘拐してテロを起こすと具体的な情報をリズに伝えます。リズは将校の娘を保護しますが、テロリストに襲われて娘を奪われてしまいます。 テロリストを捕まえる過程で、リズは夫トム・キーン(ライアン・エッゴールド)の秘密を知ってしまいます。リズを脅迫するために、テロリストに自宅へ押し入られトムは切り刻まれます。何とか一命を取り留めたトムでしたが、自宅を掃除していたリズは、床の下に隠し収納を見つけます。その中に、トムの写真が貼ってある複数のパスポート、現金、銃を発見します。教師のはずのトムは別の顔があったことをリズは知ります。 レッドの助けを借りて将校の娘を救出したリズは、レッドがトムの正体を知っていると感じますが、レッドは答えません。事件解決後、レッドはFBIに対しオファーを出します。FBIが追う国際犯罪人や過去の事件について情報提供を行い、犯罪者を捕まえる手助けをする代わりに、自分が過去に犯した犯罪を不問にする、自分を自由に行動させるなどの交換条件を提示します。最終的にFBIはその条件を飲み、レッドとリズを中心にする捜査チームが結成されます。 レッドが持つ国際犯罪者のリストを“ブラックリスト”と呼びます。レッドの人脈と高い知能に、リズ達FBI捜査官の強い実行力により、“ブラックリスト”に載っている国際犯罪者を次々と捕まえて行きます。 ブラックリスト”に載っている大物犯罪者達を追いかける過程で、夫トムがスパイであり、ベルリンという謎の人物に雇われていることをリズは知ります。ベルリンはレッドを狙っており、レッドを守るためにリズはトムに銃弾を撃ち込みます。トムは瀕死の傷を負いますが、リズの前から逃げ出します。しかしその後、トムはレッドが送り込んだ工作員であることが判明します。 レッドが面識のない自分を捜査パートナーとして指名したことが解らなかったリズですが、やがて自分の育ての親がレッドに知り合いであることが判明します。レッドの元妻ナオミが現れ、レッドが自分の娘を探していることをリズは知ります。自分の本当の親がレッドかも知れないとリズは思いますが、やがて他の女性が現れ、その人間がレッドの娘とリズは推測します。 全てを明かさないレッドに不信感を持つリズは、だんだんとレッドに不信感を抱き、レッドから離れて行きます。しかし、レッドを狙う秘密結社がリズにも襲いかかります。司法長官殺しの冤罪をでっち上げられ、リズは逃亡するしかなくなります。
ジェームズ・スペイダーの独特の世界観
2015年末にシーズン4の制作が発表された“ブラックリスト”ですが、このドラマの魅力は、何と言っても謎に包まれたレッドだと思います。“ボストン・リーガル”等でプライムタイム・エミー賞を受賞したジェームズ・スペイダーの飄々とした演技は必見です。 またストーリーも上手く出来ていて、謎が謎を呼ぶ展開で、真実がなかなか見えてこない点が、視聴者を飽きさせないものとなっています。レッドの真の目的が何で、リズとの関係がどのようなものなのか、今後の展開に目が離せません。
コメント